マジックエンド 【間章】

弁当争奪戦

椅子から立ち上がらずに、自分の机を足で蹴り上げスズメに投擲する。中身の教科書が目くらましの役目を果たし一瞬スズメの視界が遮られる。

アキラは弁当を抱えて走り出した。向かう場所はこの教室の扉。そこから外に出て別の場所で昼食を済ませればいい。

スズメの視界に入らないよう、地面すれすれを走る。

そして、扉まで後一歩というところまで来たところで、事件は起こった。

後方からガチャン、という金属音。アキラはその音に嫌な予感を抱き、振り返る。

そこには、西洋剣を構えたスズメが居た。

「・・・・・嘘だろ」

アキラがそう呟くと同時、スズメは西洋剣を振り切った。瞬間、膨大な衝撃波がアキラに向かって襲い掛かる。

ギョッとアキラには珍しい驚いた表情を作り、速度を上げた。
何とか教室を出たアキラはすぐに地面を蹴って走行の軌道を曲げる。それとほぼ同時、衝撃波がアキラの後ろを通過して行った。

最初の脅威を退けたのも束の間、アキラにのんびりしている時間は無い。

ガチャガチャと金属音を鳴らし、スズメがアキラを走って追いかけてきた。