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「逃がすか!!」
「・・・・俺が何をしたと言うのだッ」
アキラは全力疾走しながら廊下を走る。幸い、廊下には多数の生徒がいるのでスズメも衝撃波を放つわけには行かない。だが
バタン!!
バタン!!
いきなり、周りの生徒がばったり消え、扉が勢い良く閉められた。
何故か生徒が消え、静まりかえる廊下で、アキラは思う。
「……逃げやがったな」
仕方がない、とアキラは立ち止まり振り返る。そして足を踏ん張り構える。
弁当を右腕で庇い、徹底抗戦のために腹を括る。姉弟喧嘩。そんな言葉が頭をよぎる。
スズメが西洋剣を真横に振り切った。膨大な衝撃波が廊下いっぱいに広がりアキラを襲う。
眼前に迫り来る脅威。それに対しアキラは全身に力を入れ。
「無理だな」
再び逃亡した、全力で。
衝撃波を背に爆走するアキラ。他の生徒は扉を少し開けて楽しそうに見ている。
冗談じゃない。とアキラは奮起する。何の因果で弁当のせいで見世物にならなければならないのか。
アキラは走る速度を上げる。
真っ直ぐな廊下を直進し、突き当りまで走る。後はそこを曲がれば階段にたどり着く。
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