アキラと灰色の少女

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私は飛行機に荷物を積み終わり、やや固い椅子に座ってリラックスしていた。 隣の席には、付き添いの母が座っている。 その母が、なにやら楽しそうな表情で話しかけてきた。 「ねぇ、何であんなことをしたの?」 「......」 母は訊いて来る。分かっているくせに。 「いったでしょ。プレゼントだって」 自分でも、顔が赤くなっていくのが分かる。それこそ母から見たら露骨に分かるだろう。 「ふぅん」 案の定、母はニヤニヤしながら私の顔をじっと見つめてくる。
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