アキラと灰色の少女

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私は顔を逸らし、赤くなった顔を必死で戻そうと頑張る。 そうすると母は飽きたのか、これ以上追及することはしなかった。 私はじっとそっぽを向いていたが、ふと自分の唇に指を持ってくる。 そこだけが、まるで熱湯のように熱くなる。 黒羽はそんな唇の熱を感じながら、窓の外を見た。 青い。綺麗な空。 自分は、一ヵ月後には、ここに帰ってくるだろう。その時は、必ず。
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