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ピリリリリリリr
携帯電話のアラームで九条アキラは目を覚ます。
二秒で気付き、三秒目にはアラームと止めた。
体を起こし、眩しそうに窓を見る。
「そうか、昨日からここに泊まるんだったな」
そう、ここは彼の住んでいる九条家ではない。
林間学校で使用する、宿泊施設だ。
山の中にポツンと立っている環境を見て「探偵マンガの館」などと、管理者側には不本意な通称をつけられているが、割りと清潔で、三日四日住むには困らない場所だ
今、この部屋には彼以外の人間は見当たらない。
本来、他の生徒は三人から四人の相部屋なのだが、途中参加という都合上、彼は一人部屋なのだ。
まぁ、アキラは寂しいなどと思えるような人格ではないので、むしろ大助かりなのだが。
そんな事を考えながら、アキラは寝汗でべた付いた服を変えるべく、服を脱いだ。
そしてガサゴソとバックから新しい服を取り出そうとしている時。
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