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だからスズメはアキラを異性として見ているし、しかしアキラはスズメを双子としか見ていない。
そんなギャップが今朝のように露骨に出ているのだが、運が良いのか悪いのか、アキラには気付かれていない。
(今回を逃せばたぶん二度と肝試しなんてやる機会は回ってこない。)
この時、スズメの脳は高速回転していた。
(今約束を取り付けないと・・・・やるなら今!!)
「ねぇアキラ・・・・」
ピリリリリ
その時、何の前触れもなく、誰かの携帯電話の着信音がなった。
「あぁ、すまん」
携帯電話の持ち主はアキラだったようで、ポケットから黒いそれを取り出し、そのままその場を去っていった。
「・・・・・・」
スズメはその姿を呆然と、英二は同情の視線で、ユメは腹を抱えながら爆笑しながら、その光景を見ていた。
結局、アキラはこの場には帰ってこなかった。
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