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「これ返してこい!!離婚だ、離婚っ!!」
――バシュッ!!
私は左手首からサッと腕輪を抜き取り、真白に投げつけた。
そして、電車の出口に向かってズカズカと足を踏みならして歩き出した。
「えぇー!?そんなぁ……!!」
真白は慌てて席を立ち、私の背中を追いかけてきた。
でも、私は振り返ってなんてやらない。
「澪さーん、待ってくださいよー!!」
「イーヤーだー!!」
「仲直りに取り敢えずキスしましょう?そして、それ以上の事もした……」
「ギャーーーーー!?」
思わず振り返ってしまった私の瞳に飛び込んできたのは、真白の凶悪かつ意地の悪い悪魔のような……それでも愛おしい人だけに見せる特別の笑顔だった。
――ドクンッ!!
私は一生コイツには敵わないんだろうな、はぁ……。
END.
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