それでも欲しかった

プロローグ 鋪 雪十

なんでこうなってしまったんだろう。

僕は自分の双子の兄、鋪 蛍汰の振りをして
兄のクラスに居座って二ヶ月が過ぎた。

二ヶ月も自分の彼女と僕、
雪十の振りをした兄が笑い合う自分のクラスを眺めてた。

戻れない。

自分で戻れなくしたのに

いつしか僕は彼女、井ノ原 詩雨にもう

すきって言えない人になっていた。