最愛だったアナタへ。

変化

彼は職場では管理職をしていて上に立つ人間だった。

今まで私が好きになるようなタイプではなかった。

ある日、仕事帰りに、みんなでご飯を食べに行く事になった。

会社では威厳のある人なのに会社から一歩出れば部下達の優しいお兄さん的な存在だった。

仕事の事は勿論、部下達のプライベートの相談まで乗っていた。

その日、私は初めて、彼とまともな会話をした。

くだらない私の話に彼は真剣に話を聞いてくれた。

そして気前良く、当たり前かのようにレシートを持ち10人分もの会計を一人で済ませた。

それが毎回続いた。

上司だから当然だと思う人もいるだろう。

でも私には、そんな人が初めてでカッコ良く見えた。