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どのくらいたったのかな。
雪が舞う道の向こうに
人影が見えた。
ゆらゆらと揺れる傘の下から
お母さんの顔が見えた。
わたしたちはお母さんの元へ走っていた。
「帰ろう。」
つかんだお母さんの手は
じんわりとあたたかくて
涙が出そうになった。
神さま
どうかこの手のぬくもりだけは
溶けて消してしまったりしないでください。
帰り道
神さまにお願いした。
雪はいつのまにか止んでいて
白い世界に雪をキュッキュッと踏みしめる音だけが響いていた。
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