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帰路は吹き荒れていた吹雪が弱まって天候が回復し、何事もなく順調に帰還する事が出来た。
白色の氷河と紺色の海が混ざった地上の風景は、空から見ると優雅という言葉がピッタリと当てはまる。
「行きは余裕が無くて気付かなかったが、こうして見ると綺麗だな・・・。」
坂井は言った。
「ああ・・・。」
そんな風景を同じように見ながら、ハルトマンはドイツで待っている恋人の事を考えていた。
「前方に滑走路が見えます。」
ハルトマン達は晴れた空に導かれ、無事に味方の元へ帰還した。
下方に見えている滑走路には、ワイヤーが張られており・・・。
短い距離の滑走路から飛び出ないように、ワイヤーを使って強制的に減速させる予定であった。
「キュルルルルル」
尾翼辺りの下部に取り付けられたフックが、ワイヤーに引っ掛かり・・・。
急停止したジェット機を端に寄せて、急いで解体を始めた。
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