太平洋

7/11
前へ
/942ページ
次へ
「味方の戦闘機隊が迎撃を開始。」 「我が方が優勢なり。」 敵の戦闘機と混戦している味方を誤射しないように、機銃や高角砲は爆撃隊のみを攻撃する。 「取り舵30度!」 爆弾を避ける為に回避運動をしながら、伊藤はオアフ島の宇垣司令と連絡を取った。 「宇垣司令、この海戦は罠かも知れません。」 「ヒュゥー、ドバァーン」 爆弾が大和の至近で爆発し、爆弾が爆発した衝撃で船体が揺さぶられる。 「何故その様に推測する?」 「それは、敵艦隊の戦艦の数が報告されたものより“少ない”からです。」 「別働隊を対処できるほどの余裕は残されておらず、我々は目の前の敵を抑えるので精一杯です。」 そう伊藤は宇垣に言うと、オアフ島を放棄して撤退する準備をしておくべきだと具申した。
/942ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2613人が本棚に入れています
本棚に追加