二国の決断

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「例の“新兵器”の開発は、今のところ順調に進んでいます。」 「あれに原子爆弾を搭載すれば・・・。」 「原子爆弾を都市に投下してしまえば、人的被害は計り知れません。」 「本当の危機が迫った時にだけ、原子爆弾の使用について考えましょう。」 そう山本はヒトラーの言葉を遮って言った。 一都市を簡単に消滅させられる威力がある原爆は、世界に終末を告げる“終末兵器”と考えて良い。 最後の切り札として残すのは、至極当然の処置であった。 「現時点で最も有効な打開策は存在しません。」 「寧ろ、ここで打開策を打ち出すと今後の作戦に影響を及ぼすかもしれない・・・。」 「だからといって、確かに何も対策をしていないのは危険だと思います。」 山本は言った。
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