二国の決断

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この時点で後に騒動が起きると予知できた人物は駆逐艦に居らず・・・。 駆逐艦に向かってボートを進ませている一人の男にしか、この先に何が起こるのか分からなかった。 「気のせいか・・・。」 「どうされました?」 「いや、私の気のせいかもしれないのですが・・・。」 「勲章を一つ外されていますよね?」 「勲章?」 しばらくヒトラーは服を見回して、指摘された足りない勲章を探し・・・。 「どうやら着け忘れてきたみたいですな。」 「よく気が付かれましたね?」 この一言と素振りが山本を怪しませ、山本は記憶力を生かしてヒトラーに質問をした。 「ヒトラー総統、愛犬の名前は何でしたかな?」 山本は唐突に関係ない会話を切り出した。
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