二国の決断

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何が起こったのか分からず、乗組員を呼んで何が起きているのか尋ねようとすると・・・。 「魚雷挺が体当たりしてきました!」 っと言いながら、乗組員の一人が扉を壊しそうな勢いで部屋に入ってきた。 その報告を聞いた山本は階段を駆け上り、外に出て魚雷挺を確認しに行った。 艦尾で揺らいでいる国籍旗を見ると、どうやら日本海軍所属の魚雷挺のようだ。 「あれは・・・?」 そう何かを見ながら駆逐艦の艦長が呟いた。 魚雷挺から出て来た一人の男が、駆逐艦の艦橋を見上げるように見ている。 「私は“ヒトラー”だ。」 「そこに居る“偽者”と話がしたい。」 魚雷艇から駆逐艦の艦橋を見上げていた男が、自分の事だと名乗り・・・。 「あいつは偽者だ!」 「捜し出せ!」 その威厳のある素振りから本物だと判断し、山本を残して乗組員が艦内捜索を始めた。 しかし、部屋に戻った時には既に姿を眩まされた後であり・・・。 捕まえることは出来なかった。 「やはり偽者でしたか・・・。」 「偽者だと分かっていたのですか?」 山本の言葉にヒトラーは尋ねた。 「最初は分かりませんでしたが、会話の内容と素振りから薄々勘付いていました。」 「ヒトラー総統と瓜二つだったので、運が悪ければ気付かなかったかもしれません。」 そう言いながら山本は笑った。
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