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「その戦略に提案があるのですが、発言しても宜しいですかな?」
「構いません。」
ヒトラーが山本に尋ねると、すぐに山本は返事をした。
「私が提案したいことは、輸送船団の一部を敵に気付かれないように“すり替えて”しまいたいのです。」
「すり替える・・・。」
「一体何をお考えで?」
そう山本はヒトラーに尋ねた。
ヒトラーの頭の中では、沢山の夢のような作戦が作られている。
その夢のような作戦の中には、実現不可能なものもあるが・・・。
味方すら凌駕する巧妙な作戦が、それに混じって頭の中に浮いている。
その無数に存在する作戦の良し悪しを読み取れるのは、極少数の人間しか居ない。
「敵の船団と我々が作った“偽装船団”を、敵が気付かないように入れ替えてしまいたいと考えています。」
「この入れ替えた偽装船団を使い、本格的な破壊活動を始めます。」
「・・・・・・。」
「奇抜なアイデアで驚かされますが、かなり良さそうな作戦です。」
そう山本はヒトラーに言うと、作戦の実行を了承した。
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