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「一番二番発射!」
「バシュー、バシュー」
わずかな雷跡を残して、酸素魚雷が忍び足で敵に近付いていく。
「・・・僚艦も魚雷を発射したようです。」
ハイドロフォンから聞こえてくる魚雷の推進音を頼りに、調音員が僚艦の状況を読み取って艦長に伝える。
「カチ、カチ、カチ・・・」
副長の持ったストップウォッチの秒針が、魚雷が命中するまでの時間を刻む。
「三、二、一・・・」
副長の秒読みが終わるのと同時に、艦長は敵艦の船縁に水柱が上がるのを確認した。
「潜望鏡下げ。」
「深度100メートルまで潜航。」
「船団の下を通過した後に、後部魚雷発射管室から魚雷を放つ。」
そう艦長は命令を出した後、水雷長に魚雷の装填を指示した。
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