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しかも野郎の視線は
回を重ねる度に痛さが増す一方。
コレでは駄目だと、最終的に今のように、2人で席くっつけて飯を食うという事で落ち着いてしまった。
今でも偶に、女子の視線は急に一緒に食事を取り始めた俺達に注がれている。
飯の時くらい野郎の顔を見たくないのだが…。
ため息をこぼしつつ、袋を開けてサンドイッチに食らいつく。
辺りを見回せば女子も同じようにグループを作っている。
可愛らしい弁当やら俺と同じ様なパンやらを机に広げて仲良く食事中。
少し前のことを懐かしく思いつつ、現実に向き直る。
無論、正面を見れば堅苦しい野郎が一人黙々と箸を進めているだけ。
「ああ…華が欲しい」
教室の中央付近で、俺は誰となく呟いた。
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