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作戦だとしても、
それは成功率が半端なく低い作戦。
そんな状況が待っているとするならば、
意地でもこの教室に残ってやる!!
それでこそ、漢の証明。
嫌ならば、早くてめえだけで出ていけっつーの!
「んむ…正介を置いていくが、構わないか?」
俺の睡眠演技にとうとう痺れを切らしたか、
そこらの女子に了承を得ようとする。
いやぁやっぱり人間、諦めが肝心だよね。
例え堅物であろうとさ。
「いいよいいよ。柱谷くんだって早く着替えなきゃいけないんだし」
「そうそう、早く行っちゃいな」
おーーほっっ!
女子達はやっぱり俺の味方なのね~。
ああ…天国ってこんなに近くにあるのか。
自然と腕の中に埋めている顔がほころんでしまう。
「すまん。すぐ戻るから少し待っててくれ」
おう、早く行きな……ん?
戻る?
待ってて?
それだけ言って、柱谷らしき足音が遠ざかっていったのを確認した。
どうやらまだ諦めていないようだ。
次はどんな策で来るのやら…
無駄だという事に早く気づいた方が成績の為だぞ、柱谷。
女子達も素直に柱谷の頼み通り
戻ってくるまでの間は着替えることもなく、
雑談して待つ事にしたよう。
服を脱ぐ音は全く耳に入ってはこない。
俺としては、見ることは出来ないものの
すぐそこで
女子が着替えている
衣擦れ音。
それさえあれば、飯が何杯も食えるんだ。
当然、飯を食わなくともエネルギー充填は出来る。
だというのに…
嘆かわしいよ。この状況が……
早く着替えよ始まれーっ!
しかし、
そんな願いに神様はそっぽ向いたみたい。
「正介ーーーっ!!」
ドガーーッッン!!
と後方から爆音。
睡眠中の為、顔を上げられないが、
きっと扉がぶっ壊されたんだろう……
ガタガタと重そうな物音が聞こえる。
犯人の正体は当然…
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