俺の恋人……?

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最近の俺の昼休みはと言えば、もっぱら野郎と食うのが普通になってしまった。 以前は、女子の輪の中に入って色々な話をしつつ 目と腹の両方の欲求をささやかに満たしていたのだが…… 「どうした、正介。食べないのか?」 「食うよ。野郎と向かい合ってて吐いちまいそうだけどな」 全ては俺と席を向かい合わせて、弁当なぞを食っているコイツのせい。 この野郎のお陰様で、俺は女子達の輪に入るのが困難になってしまったのだ。 柱谷の「彼女」になってからというものの、 柱谷は昼休みずっと俺についている。 柱谷がトイレに行った間に女子達と一緒に食おうとしたら、 「ここ良いかな?」 とか言って平然と女子達の輪に入ってくる始末。 俺の意志を汲み取れってんだ。 突然の事態に女子は当然驚愕し、騒然とする。 その時、俺とさほど仲良くもなかった柱谷が俺の隣に座るなんて、普通じゃあり得ない。 何故、柱谷が隣に来たのか。 なんて理由を問われ ナンパ防止するためだろ。 とその場は笑いでおさめたが。 まぁまぁ、それはまだいい。 ただ横で食ってるだけなら、俺も普通に会話しながら食える。 しかし、奴は違う。 その間中ずっと俺を睨みながら食うのだよ。 まるで妄執の鬼です。 諸君、この悪行許せるか!? 俺が女子に話しかける度にそれだよ!? 誰だって絶対おかしいと思うよねぇ?! 結局、 そんなのでは女子にも申し訳なく、その場を泣く泣く去る事に。 その後は空しく、野郎2人で屋上に座って飯を食うことになった。 屋上でその事に関して説教してやって次の日も、懲りずに女子の輪に行くと野郎が着いてくる。 お願いします、僕を自由にして下さい……
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