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慶太は1年の杉谷と帰っていた。杉谷はずっと泣いている。
「何で近藤が殺されなきゃいけなかったんですかッ!?」
杉谷はずっと近藤と切磋琢磨してきた。見た目は仲が悪そうだが、実際は親友だったのだろう。
「杉谷…お前近藤が恨まれてたとか…そういう噂は知らないか?」
杉谷は首を振ろうとし、思慮深げに眉をひそめた。
「あの…多分ですけど、藤澤部長とはかなりいがみ合っていたと思います。」
それは慶太も知っていた。いつも心の底から憎むような目でお互いを見ていた。
それでも、裕一は死んだ。近藤は殺せない。
…ふぅーー…
長い溜め息をつき、顔を上げた時、夜道の先に人影があるのを見つけた。
こっちを見つめている…?
「おい杉谷!あの立ってる奴が誰かわかるか!?」
「え…あの人ですか…?」
すると向こうも近づいてきた。カチャッカチャッと金属音がする。
人影が街路灯に入った。
あれは…
「近藤…」
杉谷が小さく震えた。
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