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近藤は異様の上に異様を被せたような姿だった。
全身全てが五寸釘で打ち抜かれている。
皮膚も見えない。おそらく足の裏にもあるのだろう、歩く度に金属音がする。
「ぅ…ウワァぁぁぁあっ!?!?」
突然杉谷が反対方向に逃げ出す。
俺は振り返り叫んだ。
「おい杉谷!!…待て!!近藤だ!!近藤は生きてたんだ!」
もちろん本音ではない。むしろそう信じたい自分の願望を口にした。
ガシュッ!と音がしたと思うと、逃げる杉谷の前に近藤が立っていた。
近藤が左手で杉谷の襟を掴んだ。杉谷は悲鳴をあげた。
「ああぁぁぁあ!!!放せッ!!はな……!?!?」
杉谷の口から大量の血が飛び出る。
五寸釘を打たれた近藤の手には、紅い何かが握られていた。…舌だ。
俺はそれを見た瞬間、堪らず逃げようとする。すると鋭い甲高い声がし、俺は動けなくなった。
先輩ハ殺シマセンヨ。僕ガ殺シタイノハ杉谷デス。
杉谷は口から血を吹きながらも必死にもがいていた。近藤がズブッと右手を引き抜き黙らす。
先輩、コイツハ道連レニシマス。
ザシュッ!!足首が2つ吹っ飛んだ。
杉谷の血が俺の頬に付く。
俺は杉谷がバラバラにされるのを眺めることしかできなかった。
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