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ズボンから携帯を取り出し、西河に電話をかける。
きっとまだ西河は生きている。これ以上死者を増やさせてたまるものか。
西河は出ない。呼び出し音だけが虚しく響く。
出ろ…出ろ…出ろ!!!!
そう念じていると、やっと西河が電話にでる。
「よぅ慶太か!どした?」
「西河!!お前今どこだ!?」
「俺か?家だよ~今日親も誰もいないんだよね♪今から来るか?」
…マズイ。一人は一番危険だ。
全力疾走して、息が切れてくる。住宅街の道を駆け抜けた。
「西河!!いいなスグに逃げろ!!今そっちに杉谷が…」
「あ…ちょっと待ってくれ…何か音が聞こえる…」
慶太は凍りついた。
音は電話を通して慶太にも聞こえてきた。
ペタッ
ペタッ
ペタッ
ペタッ
「…?足音…かなぁ?なぁ慶太も聞こえるか?」
「西河…!!逃げろぉぉお!!!!」
「何で逃げなきゃ…ウワァぁぁぁああ!!!」
西河は心底怯えた声で叫んだ。
「あ…ああ足がぁ!!足がこっちにくる…!?!?」
「西河ぁ!!逃げろぉ!!そいつは杉谷だ!!」
「杉谷…??なんで…」
最後にペタッという足音がしたと思うと、電話はブチッと切れた。
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