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四角く切り取られた窓から朝の光が差し込む
明るく照らされた部屋で幸せそうに毛布にくるまる塊が二つあった
そのうちの一つがう~、と伸びをする
紅砂「よく寝た…」
紅い瞳を擦りながら窓の外に目を向ける
だいたい6時か7時くらいだろうか?
今日は寝坊するわけにはいかなかったから、まずまずの時間だろう
紅砂「なんたって、今日は龍が旅に戻るって言ってたからな…」
誰に言うでもなく呟く
龍が旅に出るのに便乗して出奔しようとか、前もって異空間に色々準備していたとか、とかとか…
誰にも言ってないけど、いや言えなかったけど、こちらも準備万端なのだ
ただ、一つ心残りがある
晶羅「………ん、…兄貴?」
未だに隣りで眠そうに目を擦る弟だった
この弟は両親がいないせいか、俺に対して非常に甘えん坊な性格に育ってしまった
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