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紅砂「晶羅、起きろ。早くしないと龍が行っちまうぞ」
晶羅「ぅ~、もうちょっと…」
軽く揺すって起こそうとするが、まったく起きる気配がない
むしろ、逆に布団の中に潜り込んでいってしまった
(まったく…、仕方ないな)
紅砂「じゃあ、俺は先に行くからな」
そう言って軽く布団を畳んで部屋を出て行こうとすると、何を感じとったのか、晶羅はガバッと起き上がった
晶羅「俺も…!」
短い言葉でも意味は分かる
紅砂(俺も行くから、置いて行くな…か。俺が出奔しようとしてるの分かって言ってるのか?)
何故か、晶羅には昔から隠し事が通用しない
もしかしたら、今回のこともバレてるかもしれない
だからこそ、いつもより慎重に準備を進めてきたつもりだけど
紅砂「だったら早く起きろ。もう行くぞ」
そう言って、俺は長年住み慣れたこの家を後にした
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