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紅砂「エルフ…」
晶羅が言ったその言葉に俺は動きを止める
北に住むその種族の名前は、両親の話を聞く時必ず耳にする
もう顔も覚えてないけれど、確かに俺たちの両親はエルフ族と交流が深かった
そして、優秀な魔術師だった二人がある日急にいなくなった
翁には事故だと言われてるけど俺と晶羅は納得できていない
だって、俺たち二人共、葬儀の記憶がないんだ
だから、この旅は両親のことを知るため、エルフ族から情報を集めるためでもあるんだ
龍「どうした?」
紅砂「いや、何でもない…」
一瞬、真顔になった俺たちを龍が不思議そうに見たが、俺はすぐにもとの表情に戻す
晶羅はもともとの無表情に
だって龍は関係ないから
これは屋敷にいた頃から分かっていた
それから俺たちは龍の今までの旅の話を聞いたり、魔術書を読んだり、それぞれ好きに過ごした
そして、約一時間程たった頃、それは突然現われた
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