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女「…………う、そ」
皆、一様にボロボロの状態で気絶している彼らをみて女は息を飲む
そんな男達の山から水色の髪を持つ小さな男の子がよいしょっと顔を出した
白夜「鏡、お疲れ様」
鏡「ん、きょう、がんばった!」
男の子は小さな手でピースを作ると白夜へ向ってダイブした
白夜はそれを笑顔で受け止める
白夜「鱗粉の中で動けるのは自分の仲間だけだと思った?それに、紅砂と晶羅が倒れてから何分たってると思ってるの?」
女「………え……ぁ…」
現状を把握出来てないのか、固まる女に白夜は冷たい視線を向ける
白夜「まぁ、二度と会うことはないからどうでも良いけどね。とりあえず、あいつらに手を出した罪は重いよ?」
白夜は冷たく言い捨てるとすぅっと息を吸い込んだ
少年を中心に風が渦巻く
白夜「彼の地と此の地を巡る風よ、全ての風と共に道を作れ、ウインドウロード」
ゴゥと風が舞い上がる
白夜の詠唱はまだ続く
白夜「浮遊の力を司る風よ、彼の者に浮遊の力を、その力で運べ、フロート」
白夜の言葉と同時に男達と女がふわりと浮かぶ
白夜「さようなら」
何も言葉を発することができない、それ程に驚愕している女を無視して、白夜はその肩をトンッと押した
ウインドウロードによって作られた風の奔流に女は吸い込まれて行く
その後を追うように男達も風に呑まれ、流れて行った
一瞬で流され見えなくなった彼らの方に向って、鏡がべーっ、と舌を出している
鏡「おととい、きやがれ~」
そんな鏡の様子にふぅと息を吐くと、白夜は再び詠唱を始めた
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