三太

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  「そうか。よく言ってくれたな。もう二度とするなよ。」 先生はそう言うと自分の机に向き直り書類を書き始めた。話はもう終わりということだろう。 僕は放課後、職員室に行って先生に下駄箱にビール缶を入れたのは自分だと泣きながら謝った。剛くんと正夫くんのことは言ってない。 怒られると思っていたのにあっさりとさっきの一言で済まされた。 すっきりしないまま僕は職員室を出た。それからしばらくして呼び止められた。  「三太くん、だったかな?」 振り向くと白衣をきた綺麗な若い女のひとがいた。 保健室の先生だ。
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