三太

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  僕はパチっと目を覚ました。 部屋は真っ暗だ。たぶん夜中なんだろう。隣でおばあちゃんもスヤスヤ眠ってる。 前にトイレに起きたときもこんな感じだ。だけどその時は違う空気が漂っていた。 どんよりとしててジメっとした空気。雨が振る前の雰囲気に似てる。 「おばあちゃん、起きて」 恐くなっておばあちゃんを起こそうとするがどんなに話し掛けても揺すってもおばあちゃんは起きない。 奥の部屋にいるおじいちゃんを呼びにいこう。そう決意してふすまを開けたら‥いた。 ふすまの先に真っ暗で見えないはずなのにはっきりと針金みたいに固くて長い黒髪の女の子が見えた。
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