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「理由になってませんよ。だいたい俺は、作業中ですし」
他の生徒会のメンバーは、それぞれの仕事を終え、既に帰ってしまっていた。今、この生徒会室にいるのは俺と彼女の二人のみ。
「いいじゃないですか~、作業なんて。適当に、ぱぱっとやっちゃえばいいのです」
生徒会長に有るまじき発言である。
「だから~、私と王様ゲームしましょうよ~。ちょっとの息抜きは、大切だと思いますよ?」
確かに、二時間ほど前から俺はパソコンに向かいっぱなしである。企画書自体、そこまで早く仕上げる必要もない。
――だからといって、王様ゲームって……。
「だいたい、二人で王様ゲームなんかやって、何が楽しいんですか?」
「結城くん、知ってます? カップルの間では、王様ゲームプレイが今最もナウいんですよ?」
と、言われましても。
まず、俺とこの人はカップルなんかじゃない。ボスと下っ端という関係である。確かに、可愛いセンパイだとは思うが、俺なんかに釣り合う人じゃない。……ナウいとか死語だし。
「俺なんかとそんな事やってもつまらないですよ? 俺、面白みとかないですし」
だが、彼女ははっきりと言った。
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