110人が本棚に入れています
本棚に追加
「私は、結城くんと王様ゲームがやりたいんです」
そして数分後――。
目の前には、ニコニコ笑顔を浮かべたセンパイがいる。
「では、はじめましょう!」
センパイは、どこから用意したのか、割り箸で作られた簡単なくじ引きをテーブルにことんと置いた。
なんだかんだで王様ゲームを了承しているあたり、俺は女の子に甘いのかもしれない。
「ではいきます。王様だ~れだ!」
センパイの掛け声とともに、俺と彼女は同時に割り箸を引いた。
結果は――。
「あ、俺王様みたいです」
俺が引いた割り箸には、黒いマジックで『王様☆』と書かれていた。
さて、ここで王様ゲームのルールをおさらいしておこう。極めて簡単なルールである。
くじを引き、王様になった人が、そうでない人に命令を下せる、というゲームだ。本来はパーティーゲームなので、多人数でやった方が当然盛り上がる。
つまり、今の俺には目の前の美少女に、あんなことやこんなことをやらせちゃう権利がある、というワケだ。
最初のコメントを投稿しよう!