二人で王様ゲーム

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       *  センパイの機嫌は誰が見てもわかるほど、悪かった。生徒会室の隅っこのほうで、なにやらいじけている。  そりゃ、後輩の肩を揉まされる、なんてことはいい気分ではないかもしれない。だが、それはゲームに負けたセンパイが悪いわけであって。  だが、どうしてこうも俺は女の子に甘いのだろうか。 「せ、センパイ? も、もう一回やりましょうよ、ね?」 「……気を遣ってくれなくても結構です。どうせ、私なんか所詮、結城くんの眼中にないんですよ。ええそうですよ。だから肩揉みなんかやらされるんです。どうせ魅力ないんです」 「い、いや、今度はきっとセンパイが勝ちますって。ほら、三度目の正直って言うじゃないですか」 「……ほんと?」 「ほんと」 「……ほんとにほんと?」 「大丈夫ですって。それに俺、センパイともう一度、王様ゲームやりたいなぁ、なんて……」
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