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センパイの機嫌は誰が見てもわかるほど、悪かった。生徒会室の隅っこのほうで、なにやらいじけている。
そりゃ、後輩の肩を揉まされる、なんてことはいい気分ではないかもしれない。だが、それはゲームに負けたセンパイが悪いわけであって。
だが、どうしてこうも俺は女の子に甘いのだろうか。
「せ、センパイ? も、もう一回やりましょうよ、ね?」
「……気を遣ってくれなくても結構です。どうせ、私なんか所詮、結城くんの眼中にないんですよ。ええそうですよ。だから肩揉みなんかやらされるんです。どうせ魅力ないんです」
「い、いや、今度はきっとセンパイが勝ちますって。ほら、三度目の正直って言うじゃないですか」
「……ほんと?」
「ほんと」
「……ほんとにほんと?」
「大丈夫ですって。それに俺、センパイともう一度、王様ゲームやりたいなぁ、なんて……」
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