第2回 団

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「はあ……いい天気だ」 歩きながら空を仰ぐ。めいいっぱい空気を吸い込んで肺に溜め込んだ。 「……ふう」 そしてその息をゆっくりと吐き出す。深呼吸により、体の機能が蘇ってくる。そう感じた。 「団……は、と」 俺はショルダーバッグから一枚のパンフレットを取り出して眺めた。 「どう行けばいいんだったっけ?」 団までの道のりを必死で確認する俺。地図は苦手だ。 「……あ」 ふと、団の建物の全体図が目に飛び込んできた。 「……大きいな」 団は大きい。本当に大きい。どこまで離れればその姿が見えなくなるのか実験してみたいくらいだ。 「……う」 俺は生ツバを飲み込んだ。団が大きいということは、それだけすごいってことで……。
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