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何かの気配を感じ、刀を握り構えた空夜の目の前には二歳ほど年が下に思われれ小さな女の子が、嬉しそうな表情で後ろ手を組、立っていた。
刀を握る手の力を抜こうとした空夜だったが顔がこわばり、威嚇をするように鋭い視線で少女を睨みつける。
刀を握る手に力がはいり汗が滲む。
空夜の前に立つ少女は、金色に透けた短めの髪を風に揺らし、炎の様に綺麗な紅い瞳を細め、真っ赤な小さな口の端をつり上げ笑った。
「あんたなんかじゃ、私を殺せるわけないよ」
大きくとがった狐の耳らしき物が少女の頭の上で「ピンッ」と、力ずよくたつ。
無言で、切りかかる体制に変わった空夜を確認すると後ろに見え隠れしていた大きくフサフサとした、二本の尻尾を少女は左右に広げた。
二人の間に、緊張が走る、だが少女には焦りは全く見られ無かったが、空夜には油断は無いものの少しの焦りが見えた。
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