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先に動いたのは、少女の方だった、腕をゆっくり伸ばし指を空夜の方へ立てる。
空夜がいつでも飛び掛れるように足に力を入れる、その力に地面の土が小さく鳴く。
少女はそれ以上動くことなく、口を開いた。
「その刀を私のなんだよね」
「へっ!?」
しばらくの沈黙の後空夜がすっとんきょうな声をあげた。
「えと・・・助けてくれたのは君って事?」
身構えるのを止め空夜は、刀を下ろす。
その言葉に少女は、怪訝そうな表情を作り、少し怒りを含んだ声で答えはじめた。
「妖狐の、私が何で人間なんか助けるのよ❗」
耳と尻尾の毛が逆立つのが目に見えて分かった、その様子に危険を感じた空夜は慌てて刀を構え直す。
少女は強く刀を睨みつけた。
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