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夕方5時服を買った秋彦は嬉しそうに空夜の前を歩いていた。
手には買ったばかりの服が入った鞄。
背中には竹刀。
空夜は竹刀以外は持っていなかった。
「なぁ、空夜?マックおごってやるよ?」
半場強引に連れて来て、自分だけが買い物をした事を居心地悪く感じ、秋彦は提案してみたが空夜は苦笑いを一つもらし断った。
「欲しい服がなかっただけだから気にしなくてもいい」
秋彦は手に持つ買い物袋を眺め「でもよ・・・」と、小さく呟く。
「次は俺に付き合え」
空夜は近くにあったスーパーへと足を進めた。
出遅れた秋彦は小走りで空夜へ追い付く。
「夕飯?なら食って帰らね?」
空夜は買い物カゴをとり、少し考えるそぶりを見せた。
「食って帰るのは良いけど親父に何か作らねぇとだからさ?」
今日俺が当番なんだと、玉葱を手にとりカゴへほうりこむ。
「そか。ちゃっちゃっと、すませようや♪」
ウキウキと秋彦はグミを一つ空夜の持っているカゴへ入れる。
秋彦のこういった行動は何時もの事で空夜は気にもせず買い物を続ける。
「やっぱマックお前のおごりな」
レジを済ましグミをちらつかせて言う空夜に秋彦は「マジ!?」と聞き返し、頷く空夜を確認し肩を落とした。
秋原空夜父と二人で暮らす。
母は3年前に他界。
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