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午後8時。
「うぁ・・・気持わりぃ赤い満月だぜ?」
秋彦は言いながら空を指差す。
「あぁ、何か怖いな・・・」
言いながら空夜は空いる手で肩をさする。
ビビってるの?と秋彦は空夜を茶化しながら又悪戯っぽく笑い満腹になったお腹をなでる。
「食い過ぎたかも。」
秋彦が食べた量を思いだし「だろうな」と、小さくもらす。
「俺よく食うし近いうちに絶対でかくなるよな」
背伸びをして見せて秋彦は嬉しそうに言った。
「先に横だな」
そう言おうと口を開いた空夜は次の瞬間、短く苦痛をおびた声をもらし、左胸を強く押さえその場にしゃがみこむ。
「食べ過ぎで胃でも壊したか?」
笑いながら空夜にちかずいた秋彦だったが、脂汗を流し苦痛の表情を浮かべる空夜の様子にただ事ではないと悟り、すぐにかけよる。
「空夜大丈夫か!」
軽く動揺する秋彦にはこれ以外の言葉は思い付かなかった。
空夜は次第に声をこらえられない苦痛に襲われた。
回りも空夜の異変に気付き救急車を呼び始めたが。
空夜は焼けるような心臓の痛みに耐えれず意識を手放した。
遠のく意識の中必死に自分の名前を呼ぶ秋彦の声だけがはっきりと聞こえていた。
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