ただ君のそばに

変化

自宅へ着くと机に整頓されている本棚から取り出すと葵に渡す。

『サンキュー、助かる』

受け取るとさっそく本を開いて中を見ている葵を横目にネクタイを外すと部屋を出た。キッチンへ行くと冷蔵庫からペットボトルを取り出すとグラスを２つとり二階の部屋へ戻った。母親は仕事でいない。だから帰宅してから数時間は１人でいられる唯一の時間だ。大概は花梨が乱入してくるけど。

そういえば花梨は何時に帰ってくるんだろう？

そんな事が脳裏によぎった瞬間慌てて頭から追い払うかの様に左右に振る。
部屋のドアを開けると葵は窓を開けて窓越しに花梨と楽しそうに話をしていた。そんな２人を見ると急にイライラし始めて荒っぽくテーブルに飲み物を置いた。