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『柚ちゃん、待ってよぉ~』
『早くしろよ、花梨はのろまだな~』
小さな女の子が男の子を追いかけている。男の子はだいぶ先で立ち尽くし待っている。呆れた顔しながら…。
『柚ちゃんが早いの!いっつも花梨の事置いてきぼりにするんだから』
やっと追いついた女の子は頬を膨らませて怒り出した。
『じゃぁ…のろまなトコ直したらそばにいてやるよ』
意地悪な笑みを浮かべる男の子に急に笑顔になる。
『ホント?じゃぁ花梨頑張るね、約束だよ?』
笑顔で手をつないで歩き出した。
ドスン
『…ってぇ…夢か』
見事にベッドから転げ落ちたまま天井を見つめた。下から母親の起こす声が騒がしい。起きたと認識させるために返事をするとため息をついて起き上がると時計を見る。
『やっべ…』
慌ててパジャマをベッドに脱ぎ捨てるとハンガーに掛けた白のワイシャツに黒のズボンに着替えると鞄とネクタイを片手に一階に降りた。
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