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少年が願った悲しい願い
消える。
消える。
ほどけるように自分が無くなる感覚。
でも後悔はしていない。
約束は、『俺』に頼んだ。
だから、大丈夫だと自分に言い聞かせるように呟いた。
『聖なる焔、我と同じくするものよ、お前の願い通りこの世の中から…あの男の中からお前は消えた』
あぁ、と微笑みながら返事を返した。
よかった、これで
よかったんだ。
これで本当は誰よりも優しい彼が罪を感じることはないだろう。
「…ありがとうローレライ」
頬に何かが伝って笑みを作ったはずの表情が失敗した。
消えかけた少年の願い『あの優しい人の中から俺を消してほしい。』
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