1.『手紙』

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まず最初に紹介するのは、東野圭吾さんの小説で直木賞候補に選ばれ映画化もされた『手紙』。 東野圭吾さんの小説は以前から読んでいて、好きですがこの小説は、中盤までどう批判して日記に書こうかと腹立てたくらいに。 でも、中盤以降の社長に直貴が諭される場面で一気にその考えが払拭される。 父母は過労死、そんな状況故に金銭面に苦労する兄の剛志と弟の直貴。兄は母の学歴コンプレックスが影響してか、弟を大学に入学させたいが金がない。 以前、引っ越しのバイトをしたときに寄った金持ちの老婆が住む家のことを思い出し、剛志は強盗を試みるが、衝動的に老婆を刺殺してしまう……。 そこから狂い始める犯罪者の弟直貴の話。 中盤辺りまで、全く直貴、いや話の展開に共感出来なかった。というのは、強引過ぎるからだ。 まず一度もカラオケに行ったことない直貴が、初めてカラオケに行きジョン・レノンの『イマジン』を歌うと周りから絶賛。バンドのボーカルに抜擢され、プロを目指す。 次に金持ちの令嬢に恋した直貴は、犯罪者の兄を理由に結婚や交際を反対され、コンドームに穴をあけて子供を作ろうと試みる。 なぜか彼には女性が寄ってきて、女性面では全く困らない。ただ、彼らは兄の存在を聞くと壁を作る。 上記で述べたストーリーから、ただ犯罪者の兄の存在がいかに邪魔かを読者に知らせるために作られたストーリーに過ぎなく、全く現実的じゃない。
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