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この小説で重要な役を演じる由美子。彼女もいきなりバスで彼にタッパに入ったリンゴを渡したりとなんか現実的じゃない。
なぜそこまで直貴がモテるのかも記されてないので、実感が湧かない。
それに別の面で、兄は一カ月に一度、弟に手紙を書くが返事をろくに返さない。兄は弟のために犯罪を犯してしまったのにも関わらず、冷た過ぎる面がある。
確かに直貴は大学に行きたいとは言わなかったから、有り難迷惑に過ぎないけど……。
ここまで、最低だった。子供作りのとこは本当に胸くそ悪く読むのを止めようと思ったくらいで。
そして、兄を隠し売り場で働くが、兄の存在がバレて物流に異動させられる。不満を抱えた直貴の前に職場の社長が現れて直貴に諭す。
『差別は当然だと。犯罪者を排除し、家族までも差別しなければいけないと』
ここで一気に私の考えが覆された。この発言は面と向かって当事者に言う言葉じゃないから、直貴同様に呆然とした。
そして東野圭吾は巧いなぁと思った。彼は直貴を主人公に選んだことで小説に深い味が出ている。全く直貴の言動に共感出来ないが、周りの登場人物によってその言動を咎められ、成長していく。
由美子やこの社長がいたからこそ、成り立っている小説であると思う。彼等、彼等のような考えを持つ人物がいなけりゃ、恐らく酷い作品になってたと思う。
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