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甘いキス
それをしたら余計離れたくなくなるのは分かってる
だけど、自分を抑えられなくなった衝動に抗う事は出来ない
どれだけ時間がたっただろうか…
私達の唇は既に感覚がなくなっていた…
分かってる…
もうこれが最後なんだ…
私は震えながらも最後の言葉を言った
『もう、お別れだね…』
私はまた涙がこぼれそうになった
だけど泣いたらまた駄目になっちゃう
だから、振り返らずこのまま帰るんだ…
『…って…』
それは小鳥のような小さい声だった
『まって…』
振り向くと彼女は泣いて私を見ていた
そんな顔しないで
私まで泣いちゃう…
しばらくの沈黙
そして再び彼女の口が動く
『今まで…楽しかった…』
『だから…』
『ありがとう』
数週間後
彼女の声が戻った事により、再び私は彼女の側に居ていい事になった
私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった
今では声の出せる彼女と毎日楽しい生活をしている
色んな事があった
だけど、だけど…
『私は幸せです』
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