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ある日、私を心配してくれた誰かが一日だけ自由に二人で遊べる時間をくれた
引きこもる私を心配してくれる人がまだ居るんだと余計な事を考えず、私はただあの子に会えるのを凄く楽しみにした
私達は遊園地に行く事にした
あの子にとっては初めての遊園地だった
最初は久々に会うからかもしれないけどオドオドしていた
でも自然にそんなのは無くなり、いつもの私達に戻った
やがて夕方になり約束の時間の終わりが近付いていた
あの子もそれが分かっていたのだろう
少しかなしい顔をしていた
夕ご飯を食べ、薄暗い街灯が何本か立っている街を歩く
もうこれで終わりなのかと思うと心が酷く苦しかった
あの子の家の前につく
2階のみ電気がついているようだ
まだ家に入るまでは少しだけ話せそうだったので、私は言葉を掛けた
『これで…終なんだね』
雰囲気が暗くなる
これで…これで最後なんだ…
すると今まで喋らなかったあの子の口が微かに動いた
声は聞こえなかったけど、しかっりと私には届いた
『おわりたくない』
あの子の目には涙が流れていた
駄目…そんな顔されたら私まで泣いちゃうよ…
ポロリと涙が落ちる
駄目…離れたくないっ…
私はあの子を強く抱きしめる
嫌だ…話したくない…
私は…私はどうすればいいの!?
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