殺人鬼

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側にいた刑吏たちでさえ、はっきりとは聞き取れなかった彼の声に、遺族たちは眉間に皺を寄せ聞耳をそばたてた。 「俺が絞め殺したあいつらは、実に苦しそうにもがいていた。人は命の危険を感じると汗ばむ。だから、なかなか食い込まないんだよ。縄が」 そう言うと彼は自分の胸元に目を落とした。
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