傷だらけの翼

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 「もっと早く言えよ! せめて後1分早く言え! そしてラッキーとか言うな!」  「まあアレよ。18年間ほったらかしてたので、私なりの罪の意識が具現化したってわけ」  「罪の意識が僕の背後霊なわけか……18年ほったらかされた挙げ句」  「しょうがないでしょ。世の中には楽しい事が溢れてるのだから・さ☆」  「そんな理由かよ! 何か目から星が出たわ!」  「ん。もうやり尽したから当分は君と一緒にいてあげる」  「やり尽したちゃったんだ。楽しい事」  幽霊の楽しい事って、どんな事なんだろ。鈍な僕には想像もどきないや。  マクベスは相変わらず机の上に浮かびながら、大きな目をボクに近付けた。  「そう言えば君の名前を聞いてなかったわね。都合上ポチって呼ぶけど構わないかしら」  「全身全霊構うよ! そんなキャラの位置付けが決定するような名前で呼ぶんじゃねー! 僕にはじいちゃんが背伸びして付けてくれた翼っていう名前があるんだよ!」  「翼君ね。ぷ、名前負けしてるわね。翼っていうか羽にすら届いてないよねー、アハハハハハハ!」  「確かに、お前みたいに飛んでないけれど! そんなに笑える程うまい事言ってないから!」  こいつがしてきた楽しい事って、実はたいした事ないんじゃないのか?  そのあたりを含めて、もうちょっと話してみようかな。
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