ついてない僕

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 いや、この場合は疑似餌というべきか。 制服を着た国家権力が、甲高い笛の音を響かせて僕を手招きしている。 盗まれた人の気持ちも考えろとか説教されるんだろうな。 そんなの、されるまでもなく分かってるのに。 ただついてなかっただけ。  「堂々と二人乗りしてんじゃねえぞコラ! 警察を舐めてんのか?」 口の悪い警官だった。 ついでに言えば目も悪いらしい。 僕は一人で帰宅する途中だったんだし。   「あれ? 後ろの奴逃げたんか? 早いなオイ! シューマッハかよ。 それとも魔法で消したか? お前ポッターか?」 どうやら頭も悪いらしい。 僕が魔法使いなら、あんたを消してるよ。 結局、30分ばかり因縁つけられはしたが、自転車を拝借してるのはバレなかった。 やはり今日は異常についてるのかも知れない。 ふと、今までついてなかったのよと聞こえた気がした。 かなり疲れているらしいな、僕  部屋に入るとベッドにその身を投げ出した。しばらくは動きたくない。  と、 僕の部屋には場違いなまでに浮いている、羽もないのに浮いている女子高生がいた。
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