メリーさん

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いつも通りの帰り道が夕日に照らされ、赤く輝いているように見える。 その道を歩み始めたは五分くらい前のことだ。 「メリーさんって知ってる?」 麻奈美が、俺の顔を覗きながら言う。 「ああ、あの人形のやつだろ?私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの。ってやつ」 「そうそう!」 麻奈美がコクコクと頷く。 俺は視線を前に戻し、ため息混じりに呟いた。 「ハッ、ばかばかしい。人形が喋るはずねえだろ」
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