問題児と呼ばれて

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私は家出をした。したと言うか、追い出された。 小学生の頃から、私はわりと問題児だった。多分9才頃だったと思うが、何もかも面白くないし、とにかく何もかもめんどくさかった。担任教師との折り合いも悪く、しょっちゅう学校をさぼって近所の神社で一人で遊んでいた。今ならものすごく問題になりそうなことだと思うが、なんせ約20年前の田舎の話し。誰も騒ぐ人はいなかった。作文に、担任教師のことがどれほど嫌か、延々書きつらねたこともあった。そんなわけで、担任教師も私のことは嫌いだったと思う。そんな私なので、教師の質は段々悪くなっていった。11才になった私は、ほんと、ひどかったと思う。最初は 関わりたくない と思った教師に対して、どうしてやろうか? と言う気持ちが芽生えてきた。発育が良く身長も高かった私は、体育のバスケットボールで、よくジャンプボールの役目を任された。 その日特にムシャクシャしていた私は、本気で担任教師のことを殺したい気持ちでいっぱいだった。そして、体育の時間。いつものようにジャンプボールを任された私は、担任の顔面、特に目を狙って思い切りぶつけてやった。担任教師はコンタクトレンズをしていた。承知の上だった。割ってやろうと思った。しかし、残念なことに大事には至らなかった。クソッ。 そして当然教師の風あたりはきつくなった。みんなが忘れ物をした時、私だけ呼び出されて思い切り顔をつねられた。体が浮くくらい。体が浮いてくると、それ以上浮かないように、足を思い切り踏まれた。今となっては、そんな教師だから反抗したのか、私がそんな私だから教師がそうなったのかわからない。しかし学校と言うもの自体が大嫌いだった。友達も少なかった。学校に私の求めているものはなかった。家にいても、気の休まる日なんてなかったのに。
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