両親

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父親は元チンピラで、俗に言う 飲む打つ買う 三拍子揃った人だった。母親は外国人で、よく言えばおおらかで楽観的。悪く言えば後先を考えない 物事をきちんと考えられない、頭の悪い女だった。父親は自営業で収入はそこそこあったはずだが、そんな二人なので家はものすごく貧しかった。加えて5人姉弟の子沢山家庭。本当に貧乏だった。 父親は愛人との逢引に忙しく、家にはあまりいなかったが、いる時はたいがい殴られた。理由はあんまり、と言うか特になかったと思う。今ならDVで即逮捕なんじゃないかと思う。さらに私は元来反抗的なほうだったので、よく怒られて殴られた。髪の毛をめちゃくちゃ短く切られたり、教師の前で木刀でボコボコに殴られたこともあった。書き始めたらキリがないが、躾の範囲を遥かに越えていた。顔が腫れあがって、恥ずかしくて学校に行けず、さぼったことも何度もあった。しかし驚いたことに、姉に言わせると昔はもっとひどかったと言う。小学生の時、真冬の夜中に何度も酒を買いに行かされたと言っていた。銘柄を間違えたと言って殴られたそうだ。母親はそんな時見て見ぬふりをする。庇えば自分もやられる、だから庇わない。そんな女なのだ。
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